校舎からのお知らせ | 東進ハイスクール門前仲町校|東京都

校舎からのお知らせ 

2018年 10月 16日 新学年スタート生募集開始!

※東進ハイスクールでは、先取り学習を重ね、志望校対策に時間をかけるために10月15日より新学年の切り替えを行っております。(現高2生は高3生としてご入塾可能)

詳細は校舎までお問い合わせください。

 

     

2018年 9月 12日 高校3年生入学締切9月15日!

2018年 8月 23日 2学期スタート生大募集!!

2018年 8月 20日 門前仲町からの挑戦状なり

門前仲町からの挑戦状
~Challenge from Monnaka  
    Japanese Classical Literature Ver.~
 
源氏の五十余巻、櫃に入りながら、在中将、とほぎみ、せり河、しらら、あさうづなどいふ物語ども、一袋とり入れて、得て帰る心地のうれしさぞいみじきや。

はしるはしる、わづかに見つつ、心も得ず心もとなく思ふ源氏を、一の巻よりして、人も交じらず、几帳の内にうち伏して、引き出でつつ見る心地、后の位も何にかはせむ。昼は日ぐらし、夜は目の覚めたる限り、灯を近くともして、これを見るよりほかのことなければ、おのづからなどは、そらにおぼえ浮かぶを、いみじきことに思ふに、夢に、いと清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たるが来て、

「法華経五の巻をとく習へ。」
と言ふと見れど、人にも語らず、習はむとも思ひかけず、物語のことをのみ心にしめて、
「我はこのごろわろきぞかし。盛りにならば、容貌も限りなくよく、髪もいみじく長くなりなむ。光の源氏の夕顔、宇治の大将の浮舟の女君のやうにこそあらめ。」
と思ひける心、まづいとはかなくあさまし。 
 
【問題】
下線部「后の位も何にかはせむ。」に表れた作者の心情はどのようなものか。

















 
【解答例】
現世で最高の幸せであろうと思われる后の位も、物語を読む嬉しさには及ばないと物語に夢中になる気持ち。
 
【現代語訳】
源氏物語の五十余巻を、櫃に入ったままで、(その他にも)在中将、とほぎみ、せり河、しらら、あさうづなどいった物語類を、袋いっぱいに入れてくださり、(それを)もらって帰るときの心地といったら並々ではない。
(これまで)胸をわくわくさせながら、(部分的に)少し読んでは、(ストーリーが)よくわからずにじれったく思っている源氏物語を、一の巻から読み始めて、誰にも邪魔されず、几帳の中に横になって、(箱のなかから)取り出して見る心地は、后の位も何になろうか、いや何にもならない。昼は一日中、夜は目が覚めている間、明かりを近くにつけて、これを読むこと意外のことは何もしなかったので、自然と、(源氏物語の文章などが)何も見ずに思い出されるのを、素晴らしいことだと思っていると、夢に、たいそうこざっぱりとして美しい僧で、黄色い地の袈裟を着ている人が来て、
「法華経五の巻をはやく習いなさい。」
と言う夢を見たのだが、(そのことは)人にも話さず、習おうとも気にかけず、物語のことだけで心をいっぱいにして、
「私はまだ器量がよくないわ。(しかし)年ごろになれば、見た目もこの上なく美しく、髪もきっとたいそう長くなるだろう。きっと光源氏の愛人の夕顔、宇治の大将の愛人の浮舟の姫君のようになるのだろう。」
と思っていた心は、(今思うと)あさはかで呆れ果てたものである。
 
【解説】
この文章の全体、特に傍線部の前後を見てみると、
ずっと読みたいと思っていた物語をようやく読めた喜びが描かれています。
「昼は日ぐらし、~これを見るよりほかのことなければ」から物語に夢中になっている様子を、
「物語ども、一袋とり入れて、得て帰る心地のうれしさぞいみじきや。」から
物語を読める嬉しさを推測しましょう。
后の位は古文常識から「女性として最も理想とされる生き方」と考えましょう。
 
【雑談】
平安時代の日記文学『更級日記』の「源氏の五十余巻」からの出題でした。
この作品の作者は誰だかわかりますか?
菅原孝標女です!
彼女の伯母は本朝三美人の一人であり『蜻蛉日記』の作者藤原道綱母です。
この二人と代表作は文学史の一環として覚えておくと良いですよ!
更級日記は作者が夫・橘俊通と死別したのちに若き日を振り返り記した、日記文学の代表作です。
しかし平安文学だからといって堅苦しい、難しいと敬遠する必要はありません!
なぜならこの作品は
現代と大差ない、平安時代の女ヲタのことが書かれているからです。
私は高校時代にこの作品を読んで、
源氏物語が読めて喜ぶ若き日の作者の姿に大いに共感しました。
ハマる対象は違えど、千年近く前の人も好きなものに対しては同じ気持ちだということがよく分かる作品です。
私は今回は更級日記を紹介しましたが、古典文学には他にも読んでみると面白い作品が多数あります。
古文の問題で出てきた作品も面白いと思って解けば自ずと点数が上がっていきますよ!


以上、久々の古典を杉田からの出題でした!
次の科目は
ちょいと日本語離れしたあの科目!
 
 
 

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